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2018年1月19日 (金)

外帯火山が熊野と鳳来寺山で噴火して伊勢湾で噴火しなかった原因の仮説

 引き続き、フィリピン海プレートの等深線に関する仮説の構築である。いつものように弘瀬さんの等深線図を載せる。
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 今回は再度、②の伊勢湾周辺について述べる。この等深線ができた原因の一つとして熊野のカルデラと鳳来寺山のコールドロンを挙げた。
 ところで、熊野も鳳来寺山のコールドロンも火山帯としては外帯海火山帯の一部とされている。この火山帯はコールトロンという名前の通り、現在は活動していない。
 活動時期は14Maほど前のことである。この残骸として九州には大崩れ山があり、四国には石鎚山コールドがある。そして、熊野、鳳来寺山と続く。
 
 巨大な火山が四国や紀伊半島、長野南部に存在した。この少し後Maごろに、小豆島周辺にも火山があった。それは特異な岩を作った。サヌカイトである。この火山に関しては神戸大の巽さんが詳しく書いている。なお、サヌカイトに近似したホルンフェルス、オトカイトは琵琶湖周辺の花崗斑岩に接近して産する。
 
 瀬戸内火山帯はマントルから直接噴火した火山とのことで、私は観念的にはわかる。
一方、外帯火山帯の動きに対する定説は私はないように思っている。四国海盆の拡大、日本海の拡大、フィリピン海プレートの北上、中央構造線との関係等、外帯火山に関してはいくつもの説がある。そうした中で、現在も仮説の潰しあいをしているものと私は感じている。
 外帯の一つである、熊野や大峰などの露頭には何度か行った。幾つか報告されているように捕獲岩が多いのが特徴である。また、年代測定は定量的にされていて、これは信頼性があると私は思っている。要は、噴火活動は長くはない。
 私の注目点はここでの現象が世界で唯一の現象なのかということである。つまり、外帯火山帯は斉一説に当てはまらないのか、ということである。もし、世界で唯一のものであれば、成因は仮説のままにとどまるということである。
 外帯火山に関して私が注目しているのはコールドロンの位置が連続していない点である。九州には大崩山、四国には石鎚山、紀伊半島には熊野、本州には鳳来寺山と点々としている。
 噴火する場所には瀬戸内火山帯のようにはホットスポットもある。これは巽さんが実に見事に示している。ホットスポットも移動するとの情報もあるのでそれも考えられなくはないがやはり、無理がある。そうすると沈み込み帯ということになろう。
 その場合、コールドロンのところで、それこそ海山などがあり、新しくできたフィリピン海プレートが深く侵入することになったことが一つの可能性として挙げられる。
 逆に言うと、石鎚山コールドのような大きな噴火の生じなかったところでは、フィリピン海プレートは沈まなかった結果、カルデラは生じなかったとも思える。
 そこで、伊勢湾周辺の地質を見ると、滋賀県には60Ma前後にできたカルデラからコールドロンに変化した琵琶湖ロールドロンがあることが分かる。つまり、フィリピン海プレートは容易にユーラシア大陸に侵入しやすい。
 また、伊勢湾周辺には50Ma-80Ma前から存在する地殻の割れがある。ここも弱いから結果として該プレートは深く侵入する必要はない。
  金折の論文の一部を借用し、この関係を書く。
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 ①は琵琶湖コールドロン、②は構造線である。①の琵琶湖コールドロンは外帯火山が活躍した14Maの頃には既にロールドロンであったと考えて問題ない。②の構造線は存在したが、これほど明瞭であったかは確証がない。
 いずれにしろ、この区域は弱かったから新しいフィリピン海プレートは無理して深く侵入する必要はないから火山は生じないと思われる。
 この説は一つの仮説としては成立する。今後は、他の場所への検証も進めたい。赤穂は琵琶湖コールドロンと同時期にコールドロンであった。その南方にコールドロンはない理由とも考えられる。
 なお、話は飛ぶが、外帯のコールドロンも琵琶湖コールドロンも脆さがあるからフィリピン海プレートは容易に侵入するものと思われる。
 外帯のコールドロンの地下には大きな花崗岩類が存在するがそれは軽いので、プレートはそれらを押し上げてでも大陸のプレートに浅く侵入できるものと思われる。
 以上は仮説である。なお、香川大の長谷川さんは『14Ma花崗岩体と西南日本外帯のネオテクトニクス』の中で、外帯の山は断層以外で高度を増していると記載している。私はそれは現在も浅く日本列島に侵入しているフィリピン海プレートの影響であると思っている。
 ただ、これも一連の仮説の一部である。
 

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